レシピ動画サイトや、食品メーカーの自社サイト、そして店頭のサイネージでもレシピ紹介動画は一般的になりました。
中には、自社で作成したけど美味しそうに見えない、これじゃ販促に使えない・・・とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
聞いたことがある言葉かもしれませんが「 シズル感 」を意識するだけでぐっと写真や映像は映えます。
この記事では、「 シズル感 」を活用しどうすれば美味しそうに撮影できるのか、どうすれば視聴者を魅了できるのかを映像制作のプロとして解説いたします。
美味しく見せるには シズル感 がすべて
「シズル感」がレシピ動画制作において重要な要素であることは間違いありません。
シズル感とは、見た人の五感を刺激し、その瞬間に美味しさを伝え、食欲や購買意欲を高める演出手法のことです。
例えばこのようなイメージ。
躍動感があり、新鮮な様子がうかがえるかと思います。
効果音からも生まれる シズル感
シズル感という言葉が初めて耳にする人もいるかもしれませんが、その語源は英語の「sizzle」に由来します。
お肉が焼けているときの音こと。つまり臨場感です。
例えば、食材のみずみずしさ、お鍋から立ち上る美味しい匂いや湯気、炭酸のシュワシュワ感や氷がカランッとなる音などのこと。
「音」による演出は、紙媒体では出すことのできなかったシズル感ですね。
テレビCMの撮影現場では「音効さん」という音をつくる担当があります。
少し話はそれるのですが、
映画などのアクションシーンで骨が折れるようなシーン、
実はセロリなどの野菜の束を折って効果音にしていたりします。
実際には音なんてしない場面に、想像で音をイメージし表現するのです。
料理やお酒のシズルカットにおいても同様で、音が重要な役割を果たしています。
すべての音をつくる必要はありません。実際に料理しているときの音をそのまま使用するのも1つの手です。
ライティングによる シズル感
ライティングは、料理の美味しさを表現するための重要な要素です。
簡単に実践できるやり方があります。
撮影のコツは、自然光の入る窓のそばに料理を置き、逆光または半逆光で撮ることです。
これを実践するだけでシズル感が大きく変わります。
実は、太陽の光というのはこの世で一番色が鮮やかに表現できる魔法の照明なんです。
太陽の光に加え、プロは人工的に自然光を再現するテクニックも使います。
演色性という光の質を判断する数値があるのですが、私たちが使用する照明機材はその数値が高いです。
職場の蛍光灯などはその数値が低いものが多く、撮影に適していません。
高速道路のトンネル内にあるオレンジ色の光がわかりやすいです。
低圧ナトリウムランプというライトなんですが、トンネル内で何をみてもオレンジ色にしか見えません。
これは演色性の値が極めて低く、本物の色を表現できないライトの種類だからです。
また光には色温度というものがあります。
色温度の数値が低いほど暖色系の色を発し、高いほど寒色系の色を発します。
夕食時の温かなイメージを出すときには白熱灯を、
トマトなどの新鮮野菜のイメージを出すときには太陽光に近いデイライトを、という形で使い分けます。
盛り付け方による シズル感 の演出
CMや番組の中で、すき焼き鍋の具材が美しく盛り付けられていて食べたくなってしまった経験はみなさんおありかと思います。
いざ自分で盛り付けをやってみようとしても上手くいかない・・・。
プロの世界ではフードコーディネーターやフードスタイリストと呼ばれる人たちが、上手く盛り付けています。
具体的には立体感が出るように盛り付け、色彩のバランスが整っているように野菜、鍋の大きさ、お肉の量などを調整しているのです。
これはフラワーアレンジメントなどと同様で、うまい人の例を真似して「試しに試して試しまくる」これしかありません。
そうして徐々に感覚的にわかるようになっていくものです。
熱いものは熱く、冷たいものは冷たく表現
動画や写真撮影でありがちな失敗として、
撮影時間が長時間になり食べ物が冷めてしまうパターンです。
ビーフシチューなどの温かいお料理や湯気が立ち上るお鍋など、
グツグツ煮込まれている温かい料理には、湯気や立ち上る気泡が欠かせません。
また、温かみのあるキッチンや食卓の雰囲気も重要です。
そのためにも、手早く撮影することが求められます。
ダミーの食材を使用し、入念な画角の調整や照明の配置を考えてから本番用のお料理を持ってくるのも1つの作戦です。
スロー撮影で シズル感 アップ
フライパンで食材を炒めてるような動きのあるシーンではスローで撮影することで臨場感をだせる場合もあります。
スローになることで、食材の質感を変えて撮影でき、野菜やお肉がまるで踊っているように表現できます。
以前はハイスピードカメラという特殊で高価なカメラを使う必要がありましたが、いまではスマホ1つで撮影できる簡単な技法です。
シズル感 満載の動画事例 じゅうじゅうカルビ
ここまでに書いた技術を用いて撮影したPVです。
シンプルな構成ですが、お肉の美味しさは伝わるのではないでしょうか。
どうしてもうまく表現できない場合は
動画というのは総合演出だといわれています。
何か一つの要素が足りないだけでも、求めている雰囲気からかけ離れてしまうこともあります。
ご自身でどうしても難しい場合、是非バズテナブルへご相談ください。
視聴者の「食べたい」を生み出す、シズル感あふれる動画企画をご提案いたします。
お待ちしております。